伝えたい想い  Part2



眞弓さんとは、小、中、高を同じ学校で過ごしました。
中学の途中に、彼女のお父さんの仕事の都合で転校し、一旦音信は途絶えたのですが、公立高校の入学試験の当日、運命的な再会をしたのでした。


二人は無事合格し、1年と3年の2年間を、同じクラスで学びました。


眞弓さんは、容姿端麗、まじめで成績も良く、ピアノも上手で、物静か・・・みんなが一目置く優等生。
今思えば、高校の3年間を毎朝一緒に通学するという、とても近い距離にいながらも、私にとっては、少し遠い存在だったようで、心の垣根を超えることが出来ずにいました。


結婚し、東京に移り住んだ彼女でしたが、その後の連絡は途絶えず、特にここ5〜6年で急速に二人の距離は縮まったような気がします。
1〜2か月に一度、どちらからともなくかける電話は、気がつけば1時間半〜2時間にもなるほど時を忘れて、語り合いました。
お互いとてもよく似た思考回路をしていることにも気づき、抱えている悩みにも、自然と相手の心に寄り添い、影響しあいながら、一緒に少しずつ、成長していったように思います。


そんな彼女が、「最近俳句を始めたの。」と明るく報告してくれました。


もともと文学少女の彼女です。
眞弓さんの引き出しには、溢れるほどの言葉が詰まっていたようで、始めたばかりなのに、若手のホープは、先生にも評価され、さっそく同人誌に6句投句したとのこと。
私が最初の読み手だと、その6句をメールで送ってくれました。


俳句って、季語を入れて五七五と言葉を連ねるくらいの知識しかなかった私ですが、彼女の俳句を詠んで、短い言葉なのに、情景が思い描かれて、その深さに感動しました。


眞弓さんの一句


「恋初めし 少女となりて 銀杏踏む」


37年程前の眞弓さんの姿が私の目に浮かび、青春のちょっと甘酸っぱい記憶と重なって、胸がきゅんとなりました。


俳句で表現することで、少しづつ自分の歴史を紐解いて、どんどん解放されてもいくのだろうなと、友の新しい旅立ちがとてもうれしく、心からのエールを送ります。


そして、私が眞弓さんの俳句から学んだこと。


それは・・・「伝えたい想い」は沢山の言葉や、見せかけではなく、ただ心があればいい!
一番大切なことに気づかせてもらいました。