「魔女の宅急便」に思うこと



先日、テレビで「魔女の宅急便」が放映されました。


景色の美しさと、全編に流れるメロディーが、とてもマッチしていて、観ているだけでも癒される、私の大好きな作品のひとつです。


初めて見たのは、もう20年も前のこと。
それ以来、何度も繰り返し観ているのですが、なぜか今回は、今までとはちょっと違う視点で観ることができて、なんだかやたら感動してしまいました。


13歳になった魔女のキキは、修行のため家を出て、見知らぬ街で一人暮らしを始めます。
少女から大人への階段を上がる、その過程での心の動きが、とてもリアルに、ファンタスティックに描かれていて、とてもワクワクするのです。


いつしか私は13歳の少女になり、一緒に空を飛んでいたりして・・・(笑い)
きれいな景色も心に沁みます。


お世話になっているパン屋のおそのさんと、ご主人の優しさと温かさ。
青い屋根の家に住む、おばあさんとの心のふれあい。
そのかかわりの中で、おばあさんの優しさがお孫さんに伝わらないという、切なさも経験します。
そして、ちょっぴり甘く、ときめくトンボとの出会い・・・なぜだか素直になれない、揺れ動く心。


そんな心の揺れの中で、キキの魔法の力は弱くなり、飛べなくなってしまうのです。


落ち込むキキの前に、絵描きの女学生が現れて、キキを森の小屋へ連れて行ってくれます。
その夜の小屋での会話


キキ 「私は、前は何も考えなくても飛べたのに、今はどうして飛ぶのかわからなくて・・・」


すると、絵描きの女学生は、自分も描けなくなったことがあるという、自分の体験を話すのです。


「最初はじたばたする。
それから、散歩をしたり、景色を見たり、昼寝をして・・・何もしない・・・
そのうち急に描きたくなるんだ」


私は、彼女のこの言葉にとても感動したのでした。
この二人の会話には、とても大きなメッセージが込められていると感じました。


「あせらず、疲れた時はゆっくりして、心と身体を休めて、エネルギーが溜まるのを待って下さいね。
エネルギーが溜まったら、自然と動きたくなりますよ。」


私がいつも、疲れて何もできなくなったクライアントに、伝える言葉と同じだなぁって・・・
ちょっとうれしくなりました。


そして、どうしても友達を救いたいという思いが、キキに力を与え、再び飛べるようになるのです。
最後のシーンでは、ハラハラ、ドキドキ!
頑張れ〜!!って力が入ります。


本当に癒され、優しい気持ちになる映画だと思います。


最後に流れる、ユーミンの、「やさしさに包まれたなら」がより一層ハッピーな気持ちに。


いつかあの大きな時計台のある、海の見える街を訪れたい!・・・と、思うのは私だけでしょうか。