ギリシャ紀行  <サイプレスの樹の下で>



アテネは、比較的過ごしやすい気候で、昼間はTシャツ1枚で過ごせるのですが、日差しはとても強く、サングラスは欠かせません。
高低差の激しいアクロポリスの見学にも少し疲れ、パルテノン神殿の裏側辺りで、ちょどいい木陰を見つけ、その下で休憩することにしました。


日差しがかすかに遮られるその木の下は、なぜかとても落ち着ける場所に思え、私達はその木陰がとても気に入りました。二人で木の幹に寄りかかってぼんやりとパルテノン神殿を眺めながら、全てを委ねていたような気がします。


穏やかで、心地よく、とても静かに時が流れていきました。



すると突然、一人の女性が私達の座っている場所に近づいてきて、「Cypress tree」とその木を指差し、英語で周りの人にその説明を始めたのです。
どうもその女性は、ガイドのようです。


英語の説明は理解できないのですが
「Cypress tree って、あのサイプレスのこと!?」と自問自答。


「そっかぁ〜! これがあのサイプレスの木なんだ〜!!」


このお気に入りの木は、偶然にもアロマテラピーでいつも使っているサイプレスの木だったのです!
私はとても感動しました!!


古代エジプトギリシャ、ローマでは神聖な木として崇拝されていて、防腐作用からも地中海一帯の墓地の周りにはサイプレスが植えられているとのこと。
そういえば、デルフィーへと向かうバスの中でも、この木が並木のように植えられていたっけ・・・
十字架もこの木で造られたという伝説が残っています。


自分の心地よいと思った場所が、サイプレスの下であったこともただの偶然とも思えず、自分と植物との深い関係を再確認する出来事でした。


サイプレスの主だった効能に、収斂作用がありますが、こんな乾燥した土地にしっかりと根づいていることからも、冷やし収斂する性質は、発汗過多に効果的なことも納得できる気がします。
また、サイプレスがが死別の苦しみを慰める精油であるという意味も、私は肌で感じ、はっきりと確認することが出来ました。


今も、サイプレスの芳香を焚きながらこのブログを書いています。
サイプレスの下でみたパルテノン神殿の美しさと優しさを、もう一度思い出しながら・・・