オリーブ




4月に訪れたギリシャで、私の大好きなオリーブが街中に植えられていたことにとても感動しました。
その時は勉強不足で知らなかったのですが、ギリシャ神話で女神アテナが街の守護神の巡る争いにおいてオリーブの木を人間に与え、人間はオリーブの木を選び、街をアテナと名づけたそうです。
そのため神木はオリーブで、アテナに捧げられたといわれるパルテノン神殿には、沢山のオリーブが植えられていました。


サイプレスとの出会いもそうなのですが、ギリシャでのオリーブとの出会いは感動的で、私と植物との繋がりの深さを確信したのでした。


そんなわけでオリーブ好きの私の家のバルコニーには3鉢のオリーブが、所狭しと置かれています。
最初に出会ったオリーブは今から約8年前、露店の花屋さんの売れ残り品を確か360円で購入したもので、背丈はおよそ30cmくらいの、可愛い赤ちゃんの苗でした。


6年前に今のマンションへの引っ越しに伴いオリーブも一緒に引っ越しをしてきたのですが、そんな環境の変化にもめげずに成長し続け、4回目の植え替えを済ませた今では、背丈が195cmにまで成長しました。
何度も自分なりの剪定をしながらも、間もなく天井に付いてしまいそうな成長ぶりには、目を見張るものがあります。


都会のマンションのバルコニーは、排気ガスにまみれ、雨や夜露もかからず、まして狭い植木鉢の中という環境は、決して心地よいものではないだろのに、よくぞここまで成長してくれたものだとそのけなげさがいとおしくてなりません。


しかし最近は黄色く変色する葉も多くなり、もはやこんな環境の限界に来ているのかと対策を考えているところですが・・・



そんな環境の中でも、今年も可愛いオリーブの実の赤ちゃんが生まれました。
毎年白くて小さな花が咲き、花の後はまさにオリーブ色の可愛い果実を実らせ、次第に赤く熟してやがて黒くなって落ちていくまで、ずっと楽しませてくれています。


今年は例年よりも花をいっぱいつけていたので、きっと沢山の実がなるのだろうと、今からワクワク。
大好きなオリーブオイルの搾取は少し無理があるだろうけれど、オリーブの塩漬なんかに挑戦してみようかと、収穫できる日を心待ちにしています。