満月の朝


今日は蟹座の満月です。
満月は沢山のエネルギーを与えてくれるのですが、よくも悪くも過剰になることもあり、今回の蟹座の満月は、精神的に不安定になりやすい時で、感情的になったり、非常に情緒的になったりしやすくなる時のようです。
感情に振り回されないように、落ち着いて物事を外側から眺めることが大切な時なのかも知れませんね。


今朝のことです。
昨夜も寝る時間が遅くなり、まだ熟睡中の私を起こす夫の声。


「感動の満月が見える!!」


時計を見ると、6時40分。
『まだ、7時前なのに・・・
今日は確かに満月には違いないけど、なんで朝なの!? それも熟睡中の私を起こしてまでも見せたいものって。
その上玄関から外に出ろと言うの程だから、きっと素晴らしいに違いないわ!!』
一瞬でここまでのことを考えた私です。


急いで布団から出て、パジャマの上にもう一枚スエットパンツ重ね履きをし、ダウンをはおって、お決まりのカメラを片手に、玄関前の北側の廊下に出てみると・・・西の空に沈みかけの満月がありました。
でも、そんなに感動するほどでもないことは確か。。。
一応写真も撮ったけれど、寒さと眠さで、こんなぶれた写真しか撮れないし・・・(笑)


私は
「夜でも良かったんじゃない?」と、一言。


すると夫
「な〜んだ!! すっかり景色が変わってる。さっきは白み始めた空に、満月が浮き出して幻想的でもっときれいだったのに・・・普通になった。」ですって。。。(^o^;)


なんとも迷惑な話ですが、夫が寝ている私を起こしてまで見せたかった朝の満月は、残念ながら姿を変え、感動するほどのものではなくなっていたけれど、私を喜ばせたいと思った気持ちは大切に受け取ることにしました。


と同時に、私のまだボーっとした頭に、ふと昔の思い出が蘇り、とてもおかしくなりました。


私達が知り合った高校1年生、まだ16歳のある日。
クラスメートの一人が郊外に引っ越し、大勢で新居を訪問した日のことです。
その日は快晴で、見渡すばかりの青空が広がっていました。


やはり郊外の空は違うなと、友人のお宅の縁側から見える空の色の美しさに感動した私。
「空がきれい〜♪」


しかし、その時私の隣にいた夫の言葉は、
「そんな感傷的な気分になられへん。」
だったのです。


ガ〜〜〜ン!!


『えぇ〜!! 空がきれいだということが感傷的なことなの!?』
当時言葉に出せないまま、少なからず傷ついた私の心の中に、その言葉が今もなおショックな記憶として残っていたことに、最近気がついて、約40年ぶりに反撃開始(笑)


そうなんですよね。
あまり感情の変化のないフラットな夫の性格は時には羨ましくはありますが、反面、感性が鈍いというか、なんというか、敏感すぎる私との長い結婚生活の中では、そのギャップを巡るトラブルも数多く発生。
戦いを繰り返しながらも、長い年月と様々な体験を通して、夫の感性は少しずつ磨かれていったような気がします。
朝の満月に感動し、まだ眠っている妻を起こしてまでも、感動を伝えたいと思うようになった夫の変化に、内心にんまり。


夏の夕暮れ、会社帰りの夫から携帯に「夕陽がきれいだから、外に出てみたら!!」という電話が入ることもしばしば。
感性って育つんですよね。


私は、幸せという現象はなくて、幸せは感じるものだといつも思っています。
幸せを感じることの出来る心と身体であることが大切だと。
そのための近道は五感を磨くことなんです。


空を見たり、きれいな景色を見たり、いい絵を見たり、映画を見たり、コンサートに行ったり・・・要するに感動することこそ、幸せ体質を作ることに繋がるのだと思っています。


夫も、昔よりはきっと幸せを感じる瞬間が増えたのではないかと、私は勝手に思っています。
これからも身近な人と感動を共にしていけたら、人生もっと楽しくなりそう・・・
そんなうれしい予感がする満月の朝でした。