香り届きましたか〜?


先日グループホームの職員さんを対象とした、アロマの講習会を行いました。


今回お伺いしたのは、大阪堺市にあるグループホーム『あんしん日置荘』の里です。
そこの管理者である勝代さんからの依頼を受け、今回の講習会が実現しました。


勝代さんは気持ちが真っすぐで、仕事熱心。その上とてもハートフルな方で、昨年暮れに初めて私のセッションを受けて以来、アロマテラピーの素晴らしさを実感。アロマ精油の持つ偉大な力にすっかり魅せられたようです。
かねてより、グループホームにアロマを取り入れたいという夢を持たれていたという勝代さんは、ついに夢の実現に向けて最初の一歩を踏み出したのでした。


アロマテラピーでは、精油の香りが脳の記憶をつかさどる大脳辺縁系の海馬に届き、昔の記憶に結びついて、楽しい想いでを引き出したり、気持ちが落ち着いたり、リラックスしたりするのですが、アロマは認知症アルツハイマー病の方にも効果を発揮するということが、鳥取大学で実証されていて、現在は外来でもアロマを取り入れているそうです。


実際アロマを取り入れているグループホームでは、落ち着きを取り戻したり、症状が改善している利用者さんがいるという情報を目にして以来、私もアロマの効果をもっと世の中に伝えていきたいという思いが募っていたところでした。
勝代さんとの出会いはあまりにもタイミングが良く・・・私も喜んでお手伝いさせていただくことにしました。


利用者さんはもちろんのこと、まずは職員さんにがアロマを感じて、穏やかな気持ちになってもらうことを目的に、まずは芳香浴からのスタートです。
グループホーム『あんしん日置荘』の里のリビングは、窓が大きくて、明るく開放的な空間です。
こんな広いところだと、家庭用のミストディフューザーでは香りが届かないのではないかと少し心配しながらも、玄関近くの窓際と、奥の食堂のカウンターの上にディフューザーを設置。
高齢者にも受け入れられるようにと、スィートオレンジとラベンダーをブレンドしてみたのですが、香りは思った以上に広がって・・・リビングはあっという間にアロマの香りに包まれました。


「わぁ〜!! いい香り〜☆」
「今玄関を入ってきただけで、とてもいい香りがしましたよ♪」
「介護する私達が穏やかな気持ちにならないと、いい介護は出来ないよね。」


などなど・・・初めての芳香浴は大好評のようです!!


今回の講習はリビングでくつろぐ利用者さん達の見守る中で進められました。
アロマテラピーとはどんなものか、精油の説明、使用上の注意、日常の使い方などのお話をお伝えしたのですが、皆さんとても興味深く耳を傾けて下さって、アロマを身近に感じ、興味を持っていただけのではないかと思っています。


実習では心を落ち着かせるルームコロンを作りました。
使用した精油はやはりスィートオレンジとラベンダー。
ストレスが溜まり疲れを感じた時や、心が重くなったときに自分の周りにシューとひと吹きするだけで、手軽にリラックスできるようにと考えました。
参加して下さった職員さん達は、ルームコロンの優しくて心地よい香りをとても気に入って下さったようで、笑顔がいっぱい溢れています。


実は、アロマの講習をしている間に利用者さんにもちょっとした変化が現れたんです。
男性のNさんなんですが、いつもはそんなにはしゃべらない方らしいのですが、急におしゃべりになったのには、ヘルパーさん達もびっくり。
他の方たちも幾分テンションが上がったようで、アロマの心地よい香りが、気分を高揚させてくれたのではないかと思いました。


帰りぎわに、少しおしゃべりになったNさんに、
「Nさん、こんにちは。どうぞよろしく〜。」と私の右手を差し出すと、Nさんからも、「こんにちは」と挨拶し、すぐに右手を差し出して下さって、二人は握手☆☆☆
なんだか心がほっこり温かくなりました。


後で勝代さんに、「あの方はそんなに簡単に握手なんかはしないのよ。」と伺って、またまた感激。
アロマの香りの優しさがきっとみなさんの心に届いたのでしょうね〜。


本当に素晴らしい体験をありがとうございました。
アロマの香りに包まれたグループホームへ取り組みは、きっといい結果をもたらされるのだろうと、これからを楽しみにしています。


来月はハンドトリートメント講習の予定です。