春はきっと来る


東日本大震災から、2週間が経過しました。
救援、支援活動が進む中も、被災者の方々はどんな辛い思いで日々を過ごしておられるかと思うと、本当に胸が痛みます。
犠牲となられた方のご冥福をお祈りいたしますと共に、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。



家や大切な家族まで失い、今まだ続く余震や原発の不安感の中で、避難所生活を余議なくされている方々の様子を目にするにつけ、胸が締め付けられるようで、何も出来ないことがもどかしくてなりませんでした。
自分の苦しみなんか、被災者の方の苦しみに比べたら取るに足りないこと、それを言葉にすることも薄っぺらなことに思え、表現することさえ出来ずにいました。
関西に住む私達が元気でいないといけないと頭では分かっているのに、思考だけが独り歩きし、すっかり心が弱ってしまった私がいました。


なぜこんなにも弱ってしまったのだろう・・・
今思えば、それはきっと自分自身の身体が弱っていたことと、私もまた命を考えた直後の出来事だったからではないかと思います。


実は3月に入ってから、私は大腸のファイバースコープ検査を受ました。
その結果、懸念していた大腸ポリープが見つかり、3個を摘出、細かいものは焼きとる手術を受けたのす。
検査と手術による身体への負担もさることながら、細胞診の結果の出るまでの9日間は、元気を装いながらも、内心はとても不安な日々を過ごしていました。


癌だったらどうしよう・・・
8年前に肝臓癌で亡くなった父も、同じように大腸ポリープが多発していたのです。
それにこれからもこんな苦しい検査をしなければならないと思うと、とても憂鬱な気持ちになりました。
自分で意識している以上に、私の心と身体は大きなダメージを受けていたようです。


細胞診の結果は白でした。
「良かった〜!!」
癌じゃなかった安堵感。でもこのままだと癌になるタイプのポリープだったと聞かされ、早期発見できたことを喜びながらも、今後の不安を消し去ることはできませんでした。
私は、胃にも多発性のポリープがあり、こちらは心配ないと言われていますが、もともとポリープの出来やすい体質のようで、5年前にもやはり大腸のポリープを切除した経験があったのです。


ファイバースコープを使っての手術だったので、表面には傷は見えないけれど、きっと身体には大きな負担だったことには違いなく、その後もずっとお腹も痛く、普段感じない疲れも感じていました。


細胞診の結果が出た同じ日、東日本大震災が起こりました。


命と向き合った緊張感、安堵感、体の声とじっくり向き合う間もなく、弱った状態での未曾有の大震災のあまりに悲惨な状況を目にし、私は被災地の方の悲しみとも深く同調してしまった気がします。
自分の心の疲れや、体調の悪ささえ、被災者の方に比べたら、とてもちっぽけな出来事のように思え、何も出来ない自分を責めていました。


そんな時、バリ仲間のさちと思いがけず再会することが出来ました。
彼女は私の話をじっくりと聴いてくれ、そしてこう言ってくれました。


「世の中のことは大変だけれど、自分の身体で起きたことは、自分にとって一番大変なことなんだよ。」
「怖かった・・・って表現したらいいよ。」


私は、震災以来ブログを書くことすら、ためらっていました。
暗いニュースばかりの中で、小さな幸せを届けようと思いながらも、こんなときに自分の平和な日常や、たわいもない喜びを表現していいのだろうかと、書きながらもずっと悩んでいました。


みんなが笑顔になりますように・・・
笑顔の波動をひろげよう!!・・・そう思っていたはずなのに
考え過ぎて、どうしていいかわからなくなっていました。


でも・・・ようやくふっ切ることができました。


考え過ぎたり迷ったりする弱さも、全て自分なのだから、そういう自分を丸ごと受け止めることにしました。
そして自分が向き合った怖かった出来事と、今の正直な気持ちを思い切って表現することにしました。


なんだか不思議だけれど、書いたことで随分解放された気がします。


これからも自分の信じたことをやっていこう。
今は直接被災者の方の力になれないかもしれないけれど、ほんの小さな発信が誰かの心に届いたらそれでいい・・・今はそう思えるようになりました。


そして、もう少し事態が落ち着いたら、被災者の方にもアロマの活動で何かのお役に立てるかも知れないと、その時までじっくり落ち着いて待つことにしました。


どんない厳しいい冬だって、きっと春は来るのだから・・・
今の自分に出来ること、コツコツ積み重ねていきたいと思っています。