ケチャ・ダンス (in Bali)



ウルワトゥ寺院のもうひとつの見どころは、インド洋に沈む夕日を見ながら鑑賞できるケチャ・ダンスです。


ケチャとは、大勢の男性によるリズミカルな掛け声の合唱で有名な舞踊劇のことです。
もともとは、寺院の儀式の際に奉納される宗教舞踊のサンヒャンで、踊り手をトランス状態に導くための秘儀性の高いものだったようですが、1930年代にラーマサヤナ劇と組み合わされ、ストーリー性の高い現在の形となったようです。
ケチャの声は、5種類のリズムパターンがさらに2〜3パターンに分かれた複雑な構成で成り、ダンサーの身体や手の動きは自然界にあるのもの、たとえばヤシの木や水、火、風、悪霊のパワーなどを表現していています。


「チャッ、チャッ、チャッ」という声の強弱が旋律を追わない楽器となり、それに激しい身ぶりを伴い、ダンサーのエネルギーが次第に高まって、会場は熱気に包まれていきます。


「すごい!!」
「まるで楽器のようだわ。」


感動とともに、劇の登場人物もユニークで、笑いを誘う演出もあり、見ごたえは十分でした。



私は見ながら、「チャッ、チャッ、チャッ」と1時間にもわたって、息を吐き続けることで心や身体は浄化され、ダンサーは瞑想の状態になっているのだろう・・・
きっとやっている人たちの方が、見ているよりもずっと気持ち良く、元気になるんだろうなぁと思いました。


ケチャにより、ヒンドゥー教の神と人を結びつけるバリの伝統芸能の世界を垣間見ることができて、本当に楽しかったです。