嫁ぐ日に


今日は娘の真梨の結婚式です。


ここ数カ月、式の準備のあわただしさの中に、いつしか私まで巻き込まれ、時間に追われる日々でした。


一緒に暮らせる残り少ない日々をもっと一緒に楽しみたかったのに、感慨に浸る暇もないまま、月日は流れ、ついに今日の日を迎えました。


28年前の秋の日、待望の女の子に恵まれたあの喜びの瞬間を、不思議なくらい今でもはっきりと思い出すことができます。
夫と二人、娘のことを慈しみ、宝物のように大切に育ててきました。
子育ての最中は色々と大変なこともあっただろうに、今は楽しい思い出だけが蘇り・・・
かけがえのない時間を共に過ごすことができて、私は本当に幸せでした。


娘は真っすぐに育ち、何よりも自分を信頼できる人として成長してくれたことに、大きな喜びと共に、誇りを感じます。


平穏に仲良く過ごしてきた家族だったはずなのに、結婚が決まってからの日々は、まるで家族3人のバランスが崩れたかように、今までに経験したことのない程、トラブルも多くなり、少し大変な日々でした。


まるでボタンをかけちがえたかのように、心がすれ違い、お互いに苦しんだ時もあったけれど、今思えば、一つの在り方から、別の在り方への変化の為に必要な出来事だったのだと、心から思えるようになりました。
新しい関係を築くためには、今までの関係を一旦リセットする必要があったのだと・・・
いわば「別れの儀式」みたいなものだったような気がします。
これからは、護り続ける関係から、対等な関係として、また新しいスタートになることを楽しみにしています。


この家から娘がいなくなると考えたら、とてつもなく淋しくはあるけれど、私もようやく覚悟ができ、今はすっきりとしています。
そして、子育てという大きな役割を終えることができた満足感に、今、心はとても穏やかです。


きっと純白のウエディングドレスに身を包んだ娘の姿は少し眩しくて、私にはキラキラと輝いて見えることでしょう。
今日はいつもの泣き虫を返上して、凛とした花嫁の母でありたいと思っています。
・・・多分無理だろうけど・・・(笑)


今日は満月。
娘が幸せになりますように・・・心を込めて満月に祈ります。