虹が見れたらいいな。


今日、夫とともに憧れのハワイに旅立ちます。


こんな日が来るなんて、今でも信じられないけれど・・・神様が与えてくれた2度目の奇跡に、感謝の気持ちが溢れます。
神様からのご褒美をちゃんと受け取り、思い出に残る形にすることにしました。


働き盛りの46歳、順風満帆に思えた私達の人生を襲った突然の悲劇に、目の前が真っ暗になったあの日から、10年の歳月が流れました。


2002年5月27日、いつも元気で病気など全く縁のなかった夫がくも膜下出血で突然倒れたのでした。
それもレベル4という重症の脳動脈瘤の破裂に、昏睡状態、半身不随のまま、緊急手術したあの日の光景が今も目に焼き付いて離れません。


今思えば、その中のひとつでも歯車がくるっていたら夫はこの世にいなかった・・・いくつもの幸運が重なり、手術は成功し、夫は一命をとりとめたのでした。
その上、術後4日目には当初動かなかった左半身にも感覚が戻り、大きな障害が残ることもなく、普通の生活を送れていることはまさに奇跡。
目に見えない力に護られていることを信じずにはいられませんでした。


倒れてから4ヶ月後には社会復帰も果たすことも出来、夫は家族を支えるために頑張ってくれました。
そんな大病をしたのだから当然のことですが、季節の変化にも順応できず、小さな無理もきかないという身体、今までとは全く違う生活を受け入れることはたやすいことではありませんでした。


命が助かったこと、障害も残らず普通の生活が送れていること、仕事に復帰出来たこと・・・そんなにも沢山の幸せを与えられながらも、その幸運にふと感謝することも忘れてしまう程・・・言葉では言い表せないくらい苦しくて辛い日もあったことも事実。


そんな中で私達は多くのことをあきらめました。


先の見えない不安感の中で、私もアロマセラピストの資格を身につけ、夫も頑張って働いてくれたお蔭で、子供達を育て上げ、一昨年と昨年の2年連続で、無事結婚させることもできました。
大きな役割を終え、思い起こせば本当によく頑張ってきたものだと、自分たちを褒めたい気分です。


子育てが終えたらいっぱい旅行に生きたかったのに・・・海外なんてとても無理・・・まして時差のある国なんてとんでもない・・・とあきらめていたのです。


・・・が、2度目の奇跡が起きました。


一昨年の11月、息子が結婚式にも元気で出席出来るのかと、当日の体調をみんなで気遣っていた程だったのですが、無事に結婚式を終えた後・・・
確か12月に入った頃から、夫は変わり始めたのです。


今まで月に1度か2度は必ずといっていいほど寝込み、ぼんやりとしていることも多かったのですが、完全に元の夫に戻った気がするほど元気を取り戻し、なぜか寝込まない記録をどんどん伸ばし始め、今日まで1年2カ月元気なままで過ごせています。


特別なことは何もしていないのです。
突如何かがそぎ落とされたかのような感じで・・・目に見えない力を信じずにはいられません。


夫の体調が変化した約1年2か月前、その頃私は何度も虹を見ました。
忘れられないのは12月の初めに伊勢神宮で3度も見た虹。
私には神様からの赦しと祝福のような気がしてならないのです。



神様が与えてくれた2度目の奇跡をちゃんと受け取り、夫がかねてより憧れていたハワイに行くことに決めました。
体調不良で当日のキャンセルという苦い経験を持つ私達は、いくら体調が良くなったとはいえ、いきなりハワイとは少し敷居が高いのではとも考えましたが、今回は絶対にいけるという確信みたいなものもあり、それを信じることにしました。


頑張った二人をハワイの空は歓迎してくれるかな。
虹が多いと言われるハワイでも虹が見れたらうれしいな。


私達の卒業旅行、まもなく出発です。