受験生を抱えたお母さんへ  Part2


昨日書いた「受験生を抱えたお母さんへ」のメッセージは、大きな目標に向かって頑張っている子供の場合。
でもうちの子は、あまり勉強しないのが悩み・・・だというお母さんへ


私も長男と長女二人の子供を育てましたが、真面目な妹とは違い、長男は典型的なこっちのタイプ。
中学、高校、大学とそして無事就職が決まるまで、私は多くの時間をイライラと彼との戦いに費やしました。(笑)
今年30歳になる息子は、今は自立し、プログラマーとして働きながら、休日は自分の率いる吹奏楽団とバンドなどの音楽活動に没頭し、とても充実した生活を送っているようです。
この秋、無事結婚も決まり、私の子育ては本当に終わったのだと、ようやく肩の荷が下りた気がします。


長男は、親から見たら、「もっと真面目にやればできるのに、どうして勉強しないのか・・・」と歯がゆくてならないタイプで、授業中もずっとしゃべっていて皆さんにご迷惑をおかけし、高校の懇談会では先生のきつい言葉に、私の方が情けなくて涙した・・・なんてことも経験済みです(笑)


彼は勉強の方には全く価値観を見出さなかったのだと思います。
将来のことを考え、もっといい大学、一流企業などと現実を見据えた私の忠告もどこ吹く風〜。
今になってようやくその意味が理解でき始めたようですが・・・(遅すぎる!!)


でも親の私が言うのも何なのですが、音楽の才能は抜群で、いつも私は「あなたは天才だわ〜♪」なんて・・・
彼の音楽的センスを一番信じ、応援しているのは私なのですから・・・こうなったのも仕方ないのかも知れません。


彼は中学、高校、大学を吹奏楽部で過ごしました。パートはパーカッション。
大学に入ってからは指揮者になり、大学在学中に一般の吹奏楽団を仲間とともに設立し、今も意欲的にコンクールや定期演奏会などの活動をしています。


彼が大学4回生の5月に夫が病に倒れ、私の人生の中で、一番大変だったときに、教職を取りたいという理由で、せっかく決まっていた就職を蹴り、バイトをしながら通信教育を受けていた頃、私と息子の関係は最悪のものでした。
学生時代を音楽三昧で過ごし、卒業してからも、「吹奏楽部の顧問になりたい」なんていう理由でまた半学生生活だなんて、あまりの考えの甘さに、資格取得の関する学費等の一切の援助を止めたため、彼はアルバイトで学費を稼ぐことを余儀なくされたのでした。
その後無事資格を取得したものの、2回の採用試験にみごとに振られた25歳の夏、ついに彼の口から
「俺、就職する。もうこんな貧乏な生活嫌や。」「サラリーマンになりたい!!」
との言葉が・・・卒業後2年半の歳月が流れていました。


その秋、無事今の会社に就職が決まり、新しいスーツに身を包んだ息子の晴れ姿はとても眩しく見えました。
決して一流の企業とは言えないのですが、音楽の拠点である大阪を離れないこと、土日は完全に休み、という彼の譲れない条件を満たしてくれる会社に出会えたことは本当に幸運でした。


その後も東京に行ってメジャーデビューを目指すか、結婚するかという究極の選択の時期もあったらしいのですが、結局彼女を選択。今はまだ仕事も辞めず(というか、クビにもならず)、音楽とのバランスを上手にとって、なんとか生活しているようです。


そんな私の経験を通じて思うこと。
子育ては、その子がどんな学校に行き、どんな会社に就職するかではなく、一人で生きていける力を身につけることではないかと。
受験はもちろん人生の節目の重要な場面です。
でも決して人生の最終目的地ではないのだということを忘れないで欲しいです。


どんな人生を歩むもうとも、それが少し回り道になろうとも本人が選択し本人の責任で起きる試練は、その子にとって必要な出来事だと思うのです。
「こうした方がいい」と、転ばぬ先の杖で、その子の将来を決めてしまうのは、子供のせっかくの成長のチャンスを奪うことにも繋がります。
自分で決めたことをやってみて、たとえそれがうまくいかなかったとしても、経験という素晴らしい学びを手にします。


息子の場合も、もし家庭のために自分を抑えあの時就職していたら、本当は教師になりたかったという思いが一生残っのではないでしょうか?!
やりたかったけれどやれなかったことほど、後々の後悔になるものはないのです。
でもやってみたけどうまくいかなかったことで、本当の意味であきらめられたのだと思います。


私は愛だけは誰にも負けないくらい深いことは自慢ですが、その分とても感情的で、あまりいいお母さんではなかったのではないかと、反省することもあるけれど・・・
でも、いつしか私のもとを飛び立ち、しっかりと自分の足で立って、一人で生きていく力を身に付けたことで、私はようやくこれで良かったのだと思えるようになりました。


私はこれから息子がどんな選択をしようとも、彼の一番の応援団であり続けたいと思っています。


受験生を抱えたお母さん
あまり勉強しなくても。。。子供を信じ、あなたの大きな愛で見守っていてあげて下さいね。
ただそれだけで、大丈夫ですよ♪


少し先輩の私からのメッセージ・・・心に届けばうれしいです。